仕事(リフォーム)

所沢K邸1

今日は秋分の日。これからは一段と日が短くなっていきますね。
だいぶ街に賑わいが戻っている中、静かな時にコツコツと作業を進めています。

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こちらは小屋裏内部。築25年のお宅をスケルトンリフォームします。
外観、内観ともに酷い劣化はないものの、中身を詳しく調査してみると、耐震性に不安があったり、断熱性能が不十分だったり。昭和56年に新耐震基準は改正されているものの、木造については平成12年の改正より前のものは実はグレーゾーンな場合があります。今回もそういう状況でした。今回は事前調査から構造の専門家にも加わって頂き、万全の耐震補強を行う予定です。
断熱性能についても断熱材は入っているものの、夏暑く、冬寒いとのことで、こちらも標準性能よりも強化した基準で補強する予定です。
合わせて、今後の住まい方に合わせて間取り変更も行います。

工事は年明けからの予定で、現在は詳細な図面作成中です。詳細な図面は書き始めるともっとこうした方が、ああした方が、と手を進めるほどに細かい部分も含めて考えしまうので、なかなか進みません。が、こうして考える時間が楽しいもので。こういう作業は静かなお休みの日が最適です。

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お菓子工房、完成しました

10月7日。ようやく涼しくなりました。

7月にご自宅のダイニングキッチンをお菓子工房に改修する工事が完成しました。和菓子職人Aさんのお菓子工房です。
販売するための菓子製造をする場合には、製造する場所を菓子製造業の許可をもらえる基準を満たした空間とし、保健所の検査を受けなくてはいけません。改修のご相談を頂いてからまずしたことは、現況の確認と菓子製造業許可の基準の確認でした。それから基準を満たした上で、ご要望を聞きながら、計画を検討していきました。食品製造は食品の種類や製造する量などによっても基準が変わってきます。

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元々のダイニングキッチンは8畳でしたので、その広さの中で工房用スペースとご自宅用キッチンスペースを両立させる必要があったので、なるべく狭さを感じないように、冷蔵庫や食器棚や作業台などの配置など、無駄なく使いやすいように心がけて計画しました。また、将来的には中央の間仕切り建具と食器棚は外すことができるように、食器棚も配置し直せるようにしました。

折々にAさんの作ったお菓子を頂きましたが、素材を味を生かしたお菓子たちで、甘いものに目がない者としてはとても幸福な時間を過ごさせて頂きました。この工房で作られたお菓子がたくさんの人々に幸せな時間を届けることができることを祈っています。
住みながらの工事でご不便もお掛けしましたが、ご協力頂きましてありがとうございました。

HPでもご紹介させて頂いています。
また、Aさんのお菓子は南品川「茶箱」さんで頂くことが出来ます。

 

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1年点検

4月初旬、桜が開花したもののまだ見頃までにはもう少しという頃、昨年竣工した築50年の住宅改修したお宅に1年点検に伺いました。

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駅からお宅までの道のりは桜がたくさんある公園と桜並木の遊歩道なので花見をしながらの道のりとなりました。

1年経ち、木の伸縮による建具の動き具合を確認したり、左官仕上壁の様子を確認したり、実際に暮らしてみて感じる不具合などお話を伺いながら確認しました。
多少建具調整や左官補修が必要な箇所もありましたが、ほぼ竣工当時と変わらずきれいな状態でお住まいでした。特に左官仕上壁はクラックも気になる箇所は1カ所のみで素晴らしい状態でした。左官屋さんの腕が素晴らしかったと再確認できました。

暮らしていく中で少しずつ工夫を加えて大事に暮らして頂いていることが分かり、とても嬉しい気持ちになりました。大がかりに手を加えた築50年の住宅ですが、これからもさらに歴史を重ねられていくことでしょう。

帰りには嬉しいお土産も頂き帰路に着きました。
K様どうもありがとうございました。

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築50年の住宅改修ー2

続いて2階のご紹介です。

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こちらは2階改修前の状態です。(畳は外されています。)
2階は和室が2間ありましたが、フローリングの洋室へ大きく模様替えしました。

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2階改修後の写真は建て主様よりご提供いただきました。
(ご提供ありがとうございました。)
子世帯の寝室は床は杉の無垢フローリング、壁は和紙クロス、天井は杉無垢板張りです。
寝室に洗面・トイレも設けています。
勾配天井として、間接照明も設けて空間に広がりを持たせています。

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書斎スペースとして机と本棚を一体化した家具を大工工事で作成しました。

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廊下を挟んだ反対側のもう一部屋は将来はこども部屋として2つに分けて使えるように真ん中から左右対称のつくりとなっています。

速足でのご紹介でしたが、約6か月かけて行われた工事は当初の計画通りにはいかない部分もありましたが、建て主様・施工者・設計者が話し合いを重ねながら進められました。新築とは違う難しさも痛感しつつも、一度解体された建物が元に戻っていく様子は新築とは違う面白さを感じました。元々の面影も残しつつ新たな命を吹き込むことができたのではないかと思っています。

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お引渡しの日に建て主さまより素敵な茶器をいただきました。
持ち運びできるようになっていて、屋外でもお茶が楽しめるそうです。
とても素敵な贈り物をいただき感激しました。

ちょうど昨年の今頃から関わらせていただき、約1年近く経ち4月末に竣工を迎えることができました。建て主様、関係者の皆さま、どうもありがとうございました。
また折々にはご様子を伺わせて頂ければと思っています。

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築50年の住宅改修-1

昨年から工事を進めていた築50年の住宅改修工事が竣工しました。
(正確にはまだ少し残工事がありますが)

1階はご両親の寝室と客間・居間・台所・水まわりを設置し、2階は子世帯の寝室等とした二世帯住宅です。

1階からご紹介します。

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居間と台所は開き扉1枚分の開口で繋がっていたのですが、開口幅を広げて障子を入れて一体的に使えるようにしました。障子は取り外し可能で、夏場は障子を外して格子戸として使え、風通しがよくなります。

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こちらは障子を閉めたところです。左側4枚の障子は元々昔からあった障子ですが、右側2枚は左側のものに合わせて古建具を購入しました。引手が付いていなかったので、引手金物を追加しました。

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台所は北側で窓も大きく取れなかったので、トップライトを設けて明るさを確保しています。また、改修前は天井裏に隠れていた梁を現しとし、天井を勾配天井とすることで開放感を高めています。床は木目調タイル仕上げです。

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庭に面した和室は元々の面影を残しました。こちらはご両親の寝室となります。襖も既存の襖を襖紙と引手の交換をして化粧直ししました。

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縁側部分は平らな天井を勾配天井とし、広がりを持たせています。

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玄関は式台にヒノキの無垢板を使用し、壁は漆喰仕上げ、床はタイルを四半敷きとしています。廊下との間の引き戸は既存建具を利用し、ガラスをポリカーボネイト板に変更しています。

2階へ続きます。

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住宅改修現場進行中です

すっかりブログから遠ざかってしまいまして、新年を通り越し節分も過ぎてしまいましたが、今年もよろしくお願い致します。

昨年10月中旬から工事を開始した住宅の改修工事の現場は順調に工事が進んでいます。
速足で少しご紹介を。
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まずは畳や建具を外した状態です。広々としています。

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柱梁は残して床下地などが撤去されました。

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既存基礎は無筋基礎だっため、既存の基礎の横に新たな鉄筋入りの基礎を添わせて基礎補強をし、土間も防湿のためにコンクリートを打ちました。

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そして、現在は内部造作工事が進んでいます。

柱・梁・耐力壁を追加して耐震補強しつつ、床・壁・天井に断熱材を設置し、元々の面影は残しつつ間取りも一部変更しています。
既存部分と新たに手を加える部分が混在しつつの工事は手間のかかることが多く、経験豊富な大工さんに担当して頂いているので、よく相談しながら工事が進められています。

新築の場合は図面に描いた通りできているかを監理すればよいので想定外のことはあまり起きないですが、改修の場合は工事を進めてみたら図面で計画した通りにはいかない部分も出てくるので、現場での打ち合わせも長時間に及びます。
正直なところ、改修工事は新築よりも施工者も設計者も手間がかかります。その分やりがいがあるとも言えますが。
ということで、なかなかブログに手を付けられませんでした。(言い訳です・・・)

昨年の冬至の少し前、現場に伺うと建て主様のお父様が敷地内のゆずの木からゆずを収穫中でした。そして帰りにお裾分けを頂いて帰りました。

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部屋中がゆずの香りに満たされ、幸せな気分になりました。
ありがとうございました!

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地盤調査

あっという間に今年もあと3か月を切りました。早い・・・。
梅雨の頃から新しい仕事が始まり、バタバタとしていたら夏が終わっていた感じです。

新しい仕事は築50年の木造住宅の全面リフォームです。
友人の木の家設計室アトリエ椿の笠原さんから声をかけて頂き、共同で設計監理をさせて頂いています。

竣工当時の図面は残っていなかったので、現況調査により図面を起こし、建物内外の劣化状況、耐力壁の確認、床下・天井裏からも内部の構造・劣化状況を確認することから始めました。さらに地盤調査も行いました。
これら現況状況をまとめた上で新しい暮らし方に合わせた間取りの提案と耐震補強、断熱補強等を提案させて頂き、工務店さんに見積もりをお願いし、最終的に予算と要望のバランスを検討しながら方向性を決め、いよいよ工事開始となります。

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写真は地盤調査に使用したスウェーデン式サウンディング試験の機械です。しかも手動式タイプです。最近は機械式のものが多いのですが、今回は手動式でした。
2人一組で交互に重りを乗せながら土に刺したスクリューを回転させ挿入具合を計測していきます。この重りが1つ当たり10kgと25kg。7月の35度近くを記録した日だったこともあり作業して下さった方々は水を浴びたかのような汗だく状態になっていました。私はただ見守っていただけですが・・・。計5か所を調査しました。
機械だと挿入具合は見ていても分からないのですが、手動だとたくさん回転しないとスクリューが刺さって行かなければ地盤は固い、逆に簡単にスクリューが刺さって行けば地盤が緩いと分かるので、見ているだけでも大体の状況は分かります。

暑い日の屋外での重労働は頭が下がります。また、冬の寒い現場も大変ですが。今回の工事は冬を越えることになるのでなるべく雪が降らないことを祈ります。

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配管水漏れー3

漏水事件から3週間。ようやく配管工事が終了しました。

床の仕上材と下地材を一部撤去すると、水道管と給湯管が姿を現しました。

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配管がある部分のポリスチレンフォームはトンネル状の空間が空いていて、コンクリート面と接する部分の下にモルタルをだんご状においてポリスチレンフォームを乗せるようになっていました。しかし、部分的には配管自体にもモルタルが盛ってあり、トンネルと配管経路がうまくかみ合わない部分があったようです。

今回は既存の配管は手をつけずに、現在の配管を避けたところに新たに配管することとなりました。

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赤い管が給湯管、青い管が給水管です。当時は鉄や銅など金属管が主流でしたが、現在ではサビや腐食の心配がないポリエチレン管による配管が多くなっていて、今回もポリエチレン管にて新たに配管されました。
我が家は室内に給湯器がある特殊な形態で、給湯器からキッチンと洗面とユニットバスへと3か所に新たな配管が必要でした。キッチンへは写真の通り広範囲に床を壊さないと工事ができなかったですが、洗面とユニットバスはその周辺にデッドスペースや大きなパイプスペースがあったため、床と壁に点検口程度に穴を開けることで工事することができました。

工事は丸3日がかりとなりました。配管工事としては3日ですが、現状はただ床を塞いだだけなので、切り取ってしまったカーペットを戻してもパッチワークになってしまうので、リビングダイニングとキッチンの床仕上げは新しいものに改修するので、完成までにはもうしばらくとなります。

今回の教訓として、
●配管は後々の点検しやすいようによく検討しておくこと。
●デッドスペースをとっておくことも後々配管改修を踏まえて必要な場合もある。

出来上がったそのままで30年40年過ごすことは難しいので、出来上がったばかりの時には必要に思えない点検口も年月が経てば経つほど重要性は増してきます。
問題が発生したときにいろいろ壊してもよいという覚悟があれば別ですが。

家でお風呂に入れることの有難みをしみじみ感じました。近所のレトロ銭湯やちょっと足を延ばしたスーパー銭湯など銭湯巡りをしたのも楽しくはありましたが、狭いながらも家風呂が一番落ち着きます。

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配管水漏れー2

給水・給湯管の圧力を測定するために給湯器の立ち上がり配管を給湯器から外しましたが、給湯管から水漏れと分かりその後の措置をしていると・・・バルブがぽろっと外れました!

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そしてここに接続されていた管がこちら(給湯管)
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そして通常の管はこちら(給水管)
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バルブの接続部と管が異種金属だっため、接続部が腐食してしまいネジの溝がなくなっています。水を止めて作業していたので問題ありませんでしたが、通水しているときにここが外れていたら・・・。怖すぎます。現在は異種金属接合はしてはいけないことになっているのですが、当時はまだよく知られていなかったようです。

給湯管の方は内部に相当な錆がついていますが、給水管の方は以前に内部にライニング塗膜工事を行っているため錆は見えません。同じ年数が経っている給水管と給湯管ですが、給水管もそのままだったら激しく錆が発生していたことでしょう。ライニング塗膜工事をした当時、環境ホルモンなども懸念され工事を行うか長く議論されたましたが、現状では当マンションでは水道管からの水漏れは発生していないそうです。が、給湯管は次々に他の住戸でも水漏れが発生しているそうです。耐久性はライニングにより向上したと言えそうです。

マンションも戸建住宅も建てたら一生そのまま使えるわけではありません。10年、20年という周期で設備や仕上げには更新工事が必要になることを忘れてはいけません。積立金をしておくと安心ですね。修繕積立金を払っているマンションも専有部分は自己負担ですから、長年住んでいれば必要になる費用のことも頭においておくとよいかと思います。

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配管水漏れ-1

連日よい天気に恵まれたGWでしたね。そのGWの始まりに自宅(マンション)で水漏れが発生しました。今まで上階から水が漏れたことは何度かありましたが、今回は我が家からの水漏れで下階に被害が・・・。すぐに管理会社の方が来てくれたものの給水系か排水系かが分からず次の日に設備工事会社の方の調査開始です。

先ずは給湯器の立ち上がり配管を利用して給水管・給湯管の圧力を測定します。圧力が下がっていれば水が漏れている証拠です。測定してみると、給湯管の圧力が下がっており、給湯管から水が漏れていることが確定です。
次に給湯管のどこから水漏れが発生しているか調べるために床に穴を開けると・・・
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現在ではRC造のマンションの場合の床は束を立てた上に合板・仕上げをする置床方式なので床下に空間がありますが、我が家は築40年近く、当時よく使われていたらしい「ネダフォーム」というもので、モルタルを敷いて水平を取り、その上にスタイロフォーム+合板+仕上げというものです。
この方法だと配管がモルタルの中に埋まってしまうため、配管のどこから水が漏れたか調べることはかなり困難です。位置をはっきりさせるには配管部分全て床を壊してモルタルも壊さないといけません。
床下がモルタルではなくコンクリートで埋められている場合もあり、そうなると壊すことはほぼ不可能で復旧はさらに困難を極めます。

ということで、元々の給湯管はそのままにして給湯管を新たに配管するという方法が現実的なようです。ついでに給水管や排水管もという話も出ましたが、とりあえず見積もりを出してみて相談することになりました。
日曜・祝日はお休みということで、給湯管のみ止めてもらってGW明けに再度相談です。どうなることやら。

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