学び

伐採見学後ー製材・乾燥と和紙ワークショップ

伐採見学のあとは、伐採された木材の製材と
乾燥の様子を見学しました。
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丸太から、柱や梁に使う材を切り出し、残り
の部分を間柱や板材などに製材した後、乾燥
します。

乾燥は天然乾燥、と機械乾燥の大きく2種類
あります。機械乾燥は低温(35℃)、
中温(90℃)、高温(120℃)があり、
ときがわでは低温と中温が中心です。
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こちらは低温乾燥機。35℃くらいなので、
中に入ることができます。気温15度だった
この日は中に入ると暖かくて気持ちいい。
という感じ。温度と湿度をコントロールして
時間をかけて乾燥していきます。

材木として使うには含水率20%程度を目標に
乾燥させます。低温乾燥は木の香りや
よい成分を残しながら、天然乾燥より乾燥
時間を短縮できるのがメリットです。
乾燥機の中は良い香りが充満していました。

伐採見学を終えた後は、同じくときがわにある
和紙工房「たにの」さんにて、和紙漉体験を
しました。はがきサイズに和紙を漉き、見学
途中に拾った葉っぱを載せてオリジナルの
はがきを作りました。
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和紙は楮を煮て、表面の樹皮を丁寧にとり
中身の繊維を細かくし、トロロアオイを
混ぜます。
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出来たものはそのまま持ち帰り自然乾燥。
乾燥したら、こんな仕上がりに。

秋のときがわを満喫できた1日でした。
おまけ。

昼食をとったうどん屋さんの横には
こんなものが鎮座しています。
リアルサイズに近い?のかな。トトロ。
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伐採見学会ーときがわ

先週末、埼玉県ときがわ町で伐採見学会に
参加しました。
木の家だいすきの会で一緒に活動している
協同組合彩の森とき川さんが主催の
伐採見学会です。
木の家だいすきの会で設計施工を進める時は
ときがわ材を使いますが、実際に使う木を
目の前で伐採してもらうこともできます。

今回の伐採も実際に家を建てる予定の方が
実際に使う木を伐採する様子の見学でした。
今回は3家族分、3本。
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杉が主に植えてある森です。
この日に切った木は大体120年くらいの杉。
同じ樹齢でも、幹の太さは違います。
細い方が年輪が密で締まった木、だそうです。
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根本に切り込みを入れながら、倒れる方向を確認します。
切り込みの反対側にも更に切り込みを入れ
ワイヤーで引っ張っていくと
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メリメリメリ・・・ドーン!
という感じで木が倒れます。
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切った断面はこのような感じ。
触るとしっとり湿っています。
梅雨時に切ると、水が滴るそうです。
生きている木には水分が行き渡っています。
それだけ水分を含んだ木を材木とするには
この後十分な乾燥が必要になります。
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集合した時は雨模様でしたが
伐採現場に着くころには雨が上がり
途中はこんな青空も覗くほどのお天気に。

伐採見学のあとは、どのように製材、乾燥されるかの
見学をしました。その様子はまた次回に。

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建具工場見学 建具は手作業

先月は2週連続で家づくり学校2年生の授業
の引率で、植木畑に続いては、建具工場の
見学でした。

埼玉県のときがわ町周辺は、建具工場の多い
土地柄で、今回は障子などを多く作っている
畑産業さんと、特殊建具を多く作っている
栗原木工さんを見学させて頂きました。

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障子の組子は交互に組み合わされているって
知ってましたか?

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何でもなく出来上がっている建具がこんなに
細かい仕口や加工で組み上げられているって
知ってましたか?

意匠設計者が描く図面にも、組み方や仕口
まで描くことはなく、現場で出来上がった
モノしか見ないので、途中を見る機会は意外
に少ないものです。

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手で加工することの難しいものは機械で加工
します。写真は円形を彫り込んでいます。
機械にデータを入力すると、機械が掘り込み
ます。1から6までの様々な形や方向の刃が
適切に選ばれて形を刻みます。

午後からは、阿部興業株式会社さんの研究所
にて、最新の製品の見学と製品検査場の見学
と、荒川木工の荒川さんの建具講義と今回の
見学の講師の家づくりの会の松本直子さんの
講義をお聞きしました。

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写真は木製の自動ドアです。
前から作られてはいたそうですが、コロナが
発生し、病院やクリニックなどでの採用が
増えたそうです。センサーで非接触でドアの
開け閉めができるのは重宝されているそう
です。そして、リニア式のモーターなので
静かで壊れにくいそうです。

製品検査については、木製建具は反り問題が
常にあるのですが、できるだけ反りが出ない
ようにするために、温度や湿度を変えながら
実験を繰り返して製品開発しているそうです。
同じように、防音建具の防音性などについて
など各種実験、検査を繰り返して製品が完成
している様子を見学しました。

当たり前のように存在している建具ですが
様々な知恵と工夫が盛り込まれていることを
改めて実感した1日でした。


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植木畑 

先月、家づくり学校2年生の授業の引率で
西東京市にある平井園さんを見学しました。

庭木は造園屋さんにお願いすることが多い
ですが、木をどこから仕入れるか、というと
今回見学させて頂いた平井園さんような
植木畑を訪問して、メインとなる木は
実物を確かめて決めたりします。
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1年中出荷できるように、敷地内には
様々な木が植えられています。

高松造園の高松さん、平井園の平井さんに
お話を伺いながら園内を見学しました。
年々夏の暑さが厳しくなり
温暖な期間が長くなるなどにより
木の成長が早くなったりなど
変化が生じてきているそうです。
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そんな中で今人気なのは
レモンなどの実のなる木とのこと。
収穫ができると楽しいですね。
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個人的にはカツラの葉っぱが可愛らしくて
お気に入りです。

木の種類はたくさんあり下草なども含めると
なかなか名前を覚えるのも難しいですが
最近はGoogleの写真検索ですぐ分かるとか。

午後は授業の講師を担当して頂いた
家づくりの会の村田淳さんが設計されたお宅を
3軒見学させて頂きました。
立派な広い庭でもなくても
玄関先のスペースに植栽があると
雰囲気が全然変わります。
庭木の手入れには手間がかかりますが
緑のある暮らしの豊かさは
何物にも代えがたいのだと改めて思いました。

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鉄平石4 石を使った建物

鉄平石見学の最後は
実際に建物に使われているものを見学。
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古い住宅と蔵です。
屋根が鉄平石で葺かれています。
今でも施工できる職人さんはいるそうですが
かなり限られてきている状況だそうです。

次は、藤森照信さん設計の神長官守矢史料館。
閉館後になってしまったので、外からだけ。
屋根とアプローチに敷石として使われています。
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現実的なところとしては
外構で敷石としてや
外部壁面に小端積みしたり
などが多いと思います。

ポイントでも天然石を取り入れるだけで
空間の質が変わります。
新建材では出せない質感があります。

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鉄平石3 石の加工2

前回に引き続き、鉄平石の加工の様子です。

1枚の石に割れ目がありそうな箇所があった場合

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割れ目にくさびを入れて、ハンマーで叩く

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裏返して、割れ目にくさびを入れて叩く

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と、パカッと割れる。

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綺麗に割れます。

割り切れるまで割らないと、後々割れてしまう場合があるそうで
確実に割れ目は割るそうです。
明確に筋が入っていなくても、割れ目が分かるようになるそうで
ここは経験が必要ですね。

次回は実際に鉄平石を使った建物の見学の様子です。

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鉄平石2 石の加工

鉄平石見学の続き。

鉄平石の採掘の様子を見学した後は
採掘後の石の加工の様子を見学しました。

ブルーシートのテントの下が作業場です。
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電動工具で軽く割れ目を入れ
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割れ目を入れた真裏に筋を入れる
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ハンマーでトントンと叩く
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割れる
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長方形の成型に加工もしますが
採掘されたままの曲線も生かした形も
あります。
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カッターで切ったツルツルの断面とは違い
割り肌が自然な鉄平石。
天然素材を生かした加工の仕方を
見せて頂きました。

次回も加工の様子が続きます。

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鉄平石1 採掘場を訪ねて

家づくり学校の引率で長野県諏訪市に
鉄平石の見学に行きました。

4年制の家づくり学校では
2年生は各地の素材の現場を見学します。

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鉄平石は諏訪や佐久の辺りで採れる石で
板状に剝がれやすい性質の安山岩で
割れ目にくさびを差して叩くとだけで
綺麗に割れます。

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山から機械で少しずつ剝がしていき
剥がしたものを職人さんが手作業で
成形作業を行います。

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機械で叩いていくと板状に剥がれていきます。
横方向には力を入れなくても、板状に剥がれるので
自然に割れた岩肌の様々な表情が楽しめます。

加工の様子はまた次回に。

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建築士定期講習

涼しい日もあり、少しずつ秋に近づいていますね。

先週、3年ごとに受講必須の建築士定期講習を受講してきました。コロナ禍で6月末まで開催中止されていて、7月から再開し、冬になる前にと受講してきました。いつもよりも間隔を空けた席配置、検温、手指消毒、マスク着用必須という状況で丸1日の講習でした。

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9時から17時20分まで。修了考査もあり、正答率70%以下だと再受講?です。今回は一番前の席だったので、集中できました。もう一つ集中できた要因は、だらけて姿勢が悪くなると、テキストの文字がぼやけてしまって・・・姿勢を正すとくっきり見えるので、自然と姿勢も正しく受講できました。
はい。そうです。老眼が始まりまして、近くのものが見えにくく感じることが増えてきた今日この頃、老眼が役に立つ事もあるもので。ずっと視力はよかったので、見えないことがこんなにストレスとは。もう少し進んだらいよいよ老眼鏡に頼ることになりそうです。遠くは今でもよく見えるのですが。

構造についての最新動向が全て木造の話でした。大規模木造が可能な技術や法改正も進み、オフィスビルも木造のものが増える時代も来るかもしれません。

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第11期家づくり学校 受講生募集中

創設から10周年を迎えました、NPO法人家づくりの会が主催する家づくり学校では受講生を募集しています。今期で第11期となります。今までに計200人の方に受講して頂いています。私も運営スタッフとして関わらせて頂いています。
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住宅設計のプロフェッショナルである家づくりの会の会員が講師となり、大学では教えてもらえない実務に即した住宅設計についての講義を行っています。
1年生は座学、2年生は素材見学、3年生は課題演習、4年生は1人の設計者の下で実際の土地を想定した設計を行います。2年生では写真のような石材の採掘場を見学したりしています。
4年と考えると長いようにも感じますが、長い人生の中の4年間、住宅にどっぷり浸かってみるのもよい時間になると思います。講義だけでなく、講義外の見学会や懇親会、旅行も行っています。ちょうど今月総勢30名で韓国に建築見学旅行に行ってきました。
また、10期、11期では山辺豊彦先生をお迎えして構造の講義も行っています。

下は大学生から、上は50代まで集まっています。基本的には建築設計の実務者を対象とした講義となっていますが、建築関係の様々な職種の方々に受講して頂いています。社会人になってから会社以外で世代を超えた仲間ができることも家づくり学校の特色です。

詳しくは下記HPをご覧ください。応募締め切りは4月30日です。
家づくり学校

皆様のご応募をお待ちしております!楽しいですよ。

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