事務所改修計画(マンションリフォーム)

事務所改修計画12-その後2

今回はその他の部分をご紹介します。

玄関は土足部分と収納扉は既存のままとし、壁に奥行の浅い長めの棚をつくってもらいました。こちらは杉の30mm厚さのものです。

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少し長めにしたのは飾り棚、兼、手すりということで、土足部分に少し長めに取り付けてもらいました。壁が和紙なのでしょっちゅう触っていると多分黒ずんだり汚れが気になってくるだろうということで手すりというか靴を脱ぎ履きする時にちょっと手をかけられるようにということと、玄関にはちょっとなにか飾りたいということで棚と手すりを兼用できるようにしました。

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玄関には引き戸を設けて事務室部分と区切りました。
完全に閉じるのではなく小窓を設けて奥の雰囲気も少し分かるようにしました。

以前は玄関まで筒抜けでした。郵便ポスト付き玄関扉に隙間があるためと、玄関扉外の中廊下が静かなので中廊下からの音も部屋の中に聞こえるし、中廊下にいると部屋の中の音も聞こえるので何とも落ち着きませんでした。(廊下が外部の場合、外部からの車の音など色々な大小の音が常にあるので部屋の中からの音は中和して気にならないのですが。)
そんな音の問題もあり、玄関に引き戸は必須のように思われました。これは工事前に現状のままで部屋を使っていたので気づくことができました。
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引き戸を開けて筒抜けになっているよりも、引き戸を閉めているほうが部屋として落ち着く感じがします。

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そして部屋の一番奥はデスクスペースです。
今はとってもスッキリしていますが、忙しくなってくると図面の山が・・・。なるべくスッキリした状態を維持したいと思っています。自分もその方が気分がいいですしね。

ということで、事務所改修についてのご紹介は今回で終わりです。
もうちょっと緑を置きたいとか、ミニキッチンのカウンター下の有効利用とか、玄関にある収納の中ももっと使い勝手よくしたいとか、ちょっとずつ手を入れていきたいと思っています。

最近は暑い日には素足になってサワラの感触も満喫しています。サラッとしているけれどヒヤッとした感じはなく、とっても気持ちよいのです。
こんなに小さな空間でもより気持ち良く過ごすためにはと考えるといろいろと工夫できることはあるし、考えてみることはとても楽しい時間でした。実際に作って使ってみてさらなる改善点もありますが、ここを1つの出発点としてより気持ち良く過ごせる空間を提案していくことができればと思っています。

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事務所改修計画11-その後

家具も納まった後は遅れて窓に取り付けるブラインドが届きました。

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窓サッシは防音タイプではあるものの、シングルガラス。今年の冬は窓からの冷気をかなり感じました。ということで、断熱性能のあるハニカムサーモスクリーンを設置しました。不織布がプリーツ状に折られていて2層の空気層が形成されることで断熱効果があります。


大工さんにつくってもらったキッチンは生活感満点になりました・・・。

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上部にはオーブンレンジ。
(ただの電子レンジではなくオーブンレンジにこだわったのですが、コンロはないけれどオーブンで焼くことはできます。昔はよく作ったお菓子づくりにも挑戦したいと思っています。)
引き違い戸の向こうの収納は
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左側はカトラリーやお茶やコーヒーなどが納まり、
右側にはグラスやカップや皿などの食器を納めました。
巾900mmの狭いキッチンですが、必要最低限のものがしっかり納まり以前より使いやすくなりました。
カウンター下は冷蔵庫とゴミ箱しか置いていないのですが、まだスペースに余裕が。
既存の配管位置を変えていないので微妙な空き具合なので、もっと活かせないかと思案中です。

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事務所改修計画10-家具を置く

改修工事は4月中旬に終わったものの今はもう6月・・・。
工事が終わってからワックスを塗り、家具が順番に届き、本等の荷物を運び、その間も仕事は当然あるわけで忙しくあっという間に日々が過ぎて行きました。
6月になりようやく少し落ち着いたので、途中で止まったままだった改修工事のことも一気に進めました。

家具については打ち合わせテーブルとお客様用のベンチを工事前に飛騨産業さんにお願いしていました。狭いスペースですがある程度の大きさのテーブルを置きたいと考えた時に椅子はあまり動かさなくて済むようにベンチにしようと考えました。基本は2人掛けですが、ちょっと詰めれば3人まで座ることができ、ゆったり座って頂けるかなと思いベンチにしました。
決めるまで何軒も家具屋さんを見て座って歩き、ようやく飛騨産業さんに決めました。ナラでできたベンチとテーブルです。テーブルはベンチに座りやすいように2本脚のものにしました。

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手前の丸椅子はIKEAのもの。工事前から使っていたものです。すべてを一気に揃えるには限界があるもので・・・。
奥にある棚は無印良品のパルプボードボックスを重ねた上に杉の巾はぎ板を乗せました。

また、玄関からの通路部分には元々この部屋においてあった桐の箪笥が二棹。そしてその上にはつづら。これらを工事後も部屋に置いておくことが唯一の工事に際しての条件だったのですが・・・

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何となく部屋に馴染んでいる?! 部屋の仕上がりがピカピカツルツルではないので、和紙のザラッとした感じや床のサワラとも合っているようで箪笥の持ち主である叔母と母にも満足してもらい何よりでした。ちなみにこちらの箪笥、ただの置物ではなく中身がぎっしり。祖母・母・叔母・そして私の成人式で着た着物も納まっています。今は着ることがなくなってしまった着物たちですが、手放すには思い出が詰まり過ぎていてそのまま置いておくことに。

ずっとこの部屋にいた箪笥たち。何となく見守られている感じがします。

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事務所改修計画9-工事完了

最初の予定では工期は3週間ですが、建設業界全体の人手不足の影響もあり、1週間延びて4週間の工期を経て無事に工事が終わりました。

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職人さんたちによる工事が終わると最後にクリーニング屋さんが入り、工事中のホコリやチリをきれいに掃除してもらい真っ新な状態で引き渡しとなります。引き渡しは完成したものに不具合はないか最終確認したのち、設備機器等の取扱い方の説明を受け(今回は自分で全て選んでおり使い方は分かっているので省略)部屋を引き渡して頂き書類を取り交わして完全に工事終了です。
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養生もすべて取れて床が見えるようになりました。憧れていた無垢フローリングです。マンションなので、材料の搬入はエレベーターを使うためフローリングの長さもエレベーターに納まるように通常は3800mm長さのものを半分に長さに切ってもらって搬入したのですが、部屋の長手方向に並べてもらったので玄関から見ると以前より部屋が広く感じます。
巾170mmのサワラは存在感があり、カンナ掛けした表面はいい艶が出ています。
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キッチンから玄関はこんな感じに。
キッチンは大工さん特製の1点ものに変身しました。

今回はフローリングと造作してもらったカウンターとキッチンは木地のまま無塗装の状態での引き渡しだったので、これから自分でワックスを塗ることにしました。

床は米ぬかから抽出した成分からできたワックスの「キヌカ」を、
カウンターとキッチンは木製の食器の塗料としても使われている「プラネットカラー」を塗りました。
ワックスは木に完全に塗膜をつくるのではなく、木材を保護するための塗料です。木は切ってしまっても乾燥収縮を続けます。その活動を阻害することのないものをということで今回は2種類のワックスを使い分けています。
ワックス掛けは友人にも手伝ってもらったのですが、こんなに狭い空間なのにワックス掛けの翌日段々と腰が痛くなり、動くのに支障が出るほどの腰痛に・・・。片付けながら重いものも運んだりしていたことも影響したのかもしれませんが、慣れないことをする時は慎重に。

次回は家具が納まった状態もご紹介します。

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事務所改修計画8ーカウンター・壁紙

続いては事務室部分の工事です。


事務室部分には壁に沿った長いカウンターとその下に可動棚を設けます。
カウンターは杉の巾はぎ材30mm厚です。
巾はぎ材とは今までは和室の敷居や鴨居に使っていた材料が使われなくなったので有効活用としてその材料を接着剤でつなぎ合わせて板材にすることを考えたことがきっかけとなり作り出された材料です。
一般的な集成材より材料が細切れでないので、最小限の接着剤の使用でムク材に近い感覚があります。

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今回はフォレスト西川さんから材料を取り寄せました。
フォレスト西川さんでは杉と桧の巾はぎ材があり、節あり・なし、板目・柾目、厚さも20mmから40mmと幅広くあり、様々な使い方が考えられます。
今回のカウンター材は杉の板目クレール(無節・上小節)の30mm厚のものを使いました。
サイズは実際のものよりやや大きめにカットして出荷してもらい、現場で大工さんに調整してもらいました。

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壁仕上げはビニールクロスから和紙の壁紙へ変更しました。
今回の壁紙は「玉紙」の「さらり」です。
和紙に天然ゼオライト、カルシウム、水を合成した調湿紛体を漉き込み調湿性を高めた壁紙です。窓が1つしかなく風通しの悪い部屋なので、壁紙は調湿性を高めたものを選びました。予算があれば漆喰もいいですね。
和紙の壁紙はビニールクロスに比べて下地の状態が表面に現れやすいので、既存のビニールクロスをはがして調整しただけの下地では仕上がりが少し不安と現場監督さんから事前にお話を頂いていました。できるだけの下地処理をして頂いて壁紙を貼って頂きました。
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出来上がりはとってもキレイ!職人さんに頑張って頂いてきれいな仕上がりになりました。
和紙の壁紙の場合、通常のビニールクロスのようにつなぎ目を重ねて裁って突きつけのような仕上がりにすると調湿性があるため壁紙が伸び縮みしてつなぎ目が開いてくる可能性があります。なので、今回は現場監督さんとも相談して重ね貼りとしました。つなぎ目を7~9mm程度重ねて貼ります。こうするとつなぎ目が開くことはありませんが、重ねた部分に影が出るので気になる方にはおススメできません。影は窓からの光り、照明の照らし具合によって出方が変わります。

あとは照明器具を取り付けていよいよ完成です。

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事務所改修計画7ーキッチン

床仕上げまで完了したので、続いては造作工事です。

今回元々あったミニキッチンをそのままにするか悩んだのですが、玄関と事務室の間に引き戸を設けたかったので、位置を検討した結果ミニキッチンの幅を少し狭くして、その隙間に引き戸が引き込めるようにするのがベストということで、キッチンも作り変えることにしました。

元々は小さいシンクと置き型の1口ガスコンロがあったのですが、事務所ということもありガスコンロはお湯を沸かすくらいしか使わないので、お湯は電気ポットで沸かすことにしてガスコンロは設けないことにしました。火気使用がないということで、ミニキッチンは木製で大工さんに造作してもらうことにしました。

ミニキッチンには
・必要最低限の食器類とお茶などが仕舞える収納
・オーブンレンジが置けるスペース
・キッチンの下部にミニ冷蔵庫が置けるスペース
を確保することを考えて計画しました。

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元々の水・お湯・排水の配管位置は変更せず、作り変えるキッチンの方を合わせます。
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組み上げたものをはめ込みます。
緑色の点は合板の小口を3mm厚の杉で覆うための仮止めのピンです。接着剤が乾くまでピンを刺して仮止めし、乾いたらはずします。

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水栓が取り付けられ、引き戸がはめ込まれ、タオル掛けも取り付き完成です。

外枠はシナ合板、天板と幕板は杉の巾はぎ材、引き戸はシナ合板で引手は杉を大工さんに加工してもらいました。全体像はまた後程。

ちょうど工事中は桜の季節でした。
ご近所の靖国神社は桜開花の標準木もある桜の名所。そして、千鳥ヶ淵も桜の名所ということで、現場に来た帰りに桜見物。
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桜の時期は武道館での卒業式・入学式のにぎわいと桜見物の方のにぎわいでものすごい人出となっていましたが、千鳥ヶ淵の桜はやっぱりキレイ!
混雑はしていますが、是非一度は見て頂きたいです!!

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事務所改修計画6ーフローリング

床の下地が出来上がったあとはいよいよフローリング敷きです。

今回は飯能の岡部材木店さんおススメのサワラフローリング厚み25mmを敷きます。
無垢フローリングの場合、厚さ15mmか30mmのものが多いかと思いますが、岡部材木店さんでは厚さ25mmも通常用意されています。

・無垢フローリングなので厚めの方が反りにくいこと
・窓枠材としても使えること
・厚めの板がよいけれど予算が厳しかったので、30mmよりは少し価格も下がる

というような理由から厚さ25mmに。

そして、サワラを選んだ理由は

・材種として柔らかいので足触りがよいこと
・柔らかいのでフローリングの中でも比較的暖かく感じること
(暖かいというのはサワラ自体が暖かくなる訳ではないですが、硬い木より柔らかい木の方が触った感覚として暖かく感じるということです。)
・木目が上品できれいであること

以上のような理由でサワラフローリングに決定し、いよいよ現場に搬入となりました。

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まずは梱包を解いて検品から。今回は節ありの材料なのでなるべく節の少ないものを一番見える場所に並べられるように節の具合で振り分けながら検品しました。(上小節にするともっと節が少ない材料になるのですが、予算も上がってしまうので今回は節ありに)

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そのあとは大工さんのセンスで板目の具合を見ながら並べてもらいました。

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そして並べ終わった後は養生シートの上にベニヤ板を貼って養生をして完成までのお楽しみ。
並べ終わったところは見れなかったので、本当に完成までのお楽しみです。

 

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事務所改修計画5-床下地

断熱工事の次は床下地工事です。
現況も置床でしたが、カーペットタイルからフローリングに変更することもあり下階への音が気になるところだったので、実験からも遮音性能が高いことが実証されている竹村工業株式会社の「ジャストフロアー」を採用しました。国産ヒノキの間伐材を利用した木毛セメント板を支持脚を並べた上に敷いていきます。
木毛セメント板は木とセメントと水だけでできており、耐火性・防カビ性能があり、吸放湿性能もあります。
(詳しくは竹村工業株式会社HPをご覧下さい。http://www.takemura.co.jp/

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現況のコンクリート床面がかなり凸凹としていたので、その上に床が平らになるように支持脚高さを一つ一つ調整するのが余計な手間となってしまいましたが、大工さんが根気よく工事を進めてくれたおかげできれいな床下地ができました。

今回ジャストフロアを採用したのは住宅医スクールで講義して頂いた(株)マスタープランの小谷さんのお話を伺ったからです。小谷さんは関西で数多くの自然素材を生かしたマンションリノベーションを手掛けていらっしゃいます。その経験からのお話を惜しみなく講義して頂き、教えて頂いたことを今回実践してみました。

次はいよいよ今回の工事のメインとなるサワラフローリング敷きです。

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事務所改修計画4-断熱

解体が終わりいよいよ大工さんによる工事に着手です。

まずは断熱材の工事です。
この建物は築30年以上で、竣工図面を確認したところ外部に面する壁の室内側コンクリート面への断熱はされていませんでしたが、外部に面する壁はGL工法で石膏ボードが貼ってあるのでコンクリート面が直に面していない分、表面が結露するようなことにはなっていませんでした。しかし、すべての壁がGL工法になっているはずが窓横の壁面のみコンクリート面にビニールクロスが直貼りとなっていました。現状で明らかな結露はしていませんでしたが、その周辺の床がやや湿っぽい。そして、冬場は冷気を感じます。
この面に石膏ボードは貼りたかったので、ならば断熱材もということで写真のような形で窓横と梁の前面にも貼ってもらいました。

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本来ならば、梁の下面にも断熱材を貼るべきなのですが、窓枠が梁下ギリギリで納まっているので、今回はそのままとしました。また、予算の関係でもう一面外部に面する壁はそのままなので断熱材なしです。本当はこのような中途半端な断熱材施工はするべきではないのかもしれません。しかし、今回は自分で使う部屋なので、このことがどのように影響するのかも観察していきたいと思います。

今回そのままにする断熱材が入っていない外壁に面する壁ですが、床面より下の部分は石膏ボードも貼っておらずコンクリート面が見えていました。仕上げでまた床をつくるので実際には床下に隠れてしまう部分ですが、今回この部分にも大工さんの配慮で断熱材を貼って頂きました。

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今回使用した断熱材はフェノバボードという発泡プラスチック断熱材です。他の発泡プラスチック断熱材の中でも断熱性能が優れていて、また、プラスチック系では心配される火災時の有害ガスも発生せず、燃え広がりにくいものです。使用したものは厚さ30mm。次の冬、どれぐらい体感が変わるものか今から楽しみです。

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事務所改修計画3-解体

工事初日は解体から始まりました。
今回、床は仕上げ・下地共に解体撤去、キッチンは解体撤去、壁天井は仕上げのビニールクロスのみ撤去ということで、解体屋さんによる作業によってあっという間に写真のように撤去されました。

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築30年以上の建物ですが、床コンクリート面はかなり粗い感じ。現在新築する時はコンクリート表面は金ゴテなどできれいに均すのですが、このころはどうだったのでしょう・・・。大工さんによると築40年以上だと床面が荒いことも多いようですが、築30年ぐらいのものでは珍しいかもとのこと。こればっかりは床を空けてみないとわからないですね。
今回は床下地も新たに作り直すので、仕上げ面の床は平らになるように下地の足の高さを調整して平らにしてもらいます。大工さんには余計に手間を掛けさせてしまいました。
さらに後日大工さんにより窓枠が撤去されると窓脇の壁下端がブラブラ。
この壁はお隣との界壁であるコンクリートの壁にGL工法という方法で石膏ボートが付けてあります。GL工法とは団子状のボンドを一定間隔でコンクリート面に塗り付け、その上から石膏ボードを押し付けて固定する方法です。
今回コンクリート面に塗り付けたボンドが剥がれてしまい壁がブラブラに。浮いてしまった部分のみを撤去し、改めてボードを張ってもらうことになりました。

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新築工事と違って工事を進めてみないと分からない部分も多い改修工事。現場と密に連絡を取り合いながら作業は進められていきます。

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